銀貨の使い道
- 森林シャムー
- 2015年4月17日
- 読了時間: 2分
肌も髪も瞳も舌も、あらゆる場所に色のない少女の物語。
人と異なる体を持った少女は村の人々に迫害され、やがて自分を殺そうとする人々からの逃避行を開始する。
唯一少女を愛した母親が持たせてくれた銀貨を手に握り締め、暗い夜道をどこまでも、『振り返らずに』進む少女を待ち受けるものとは――
童話調のダークファンタジーで、死にまつわる様々な異形が主人公の前に現れる。
心優しい腐った犬の頭を持つカカシ、罪人の首を揺らし続ける首吊りの樹、巨大な銀のはさみを持つザリガニ、理知的な貴族のなめくじなど、異様な登場人物、悪魔達は、しかしあまたの人間達よりも人間臭く、少女の心に接する。
人と悪魔、はては神と天使を取り扱い、キリスト教的神話観を密やかに皮肉る。
短編ながら重厚な世界観が描かれており、読後に何ともいえない余韻が残る。
作者の森林シャムーは数年小説家になろうを離れており、活動を再開する際にアカウントのパスワードを紛失し、運営に届けている。
現在は小説家になろうの運営の指示に従い、森林シャムーのアカウントを放置し、気潰れの名で無名探偵を連載中とのこと。
よって森林シャムーのアカウントは凍結しており、感想を送っても返事は来ない。要注意。
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