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作品リスト

図書館ドラゴンは火を吹かない

とある王の図書館を守護するがゆえ、火を吹かない火竜の物語。

ストーリーは至極正当派のファンタジーであるが、正当派ながらも世界観と筋を作り込んであるために既視感というものを全く感じない。

読者の予想を裏切るための仕掛けや、ショッキングな演出もない、ドラゴンの楽しくも懐かしい思い出話をまっすぐにたどっていく、そんな小説だ。

多くのレビューが寄せられる作品だが、そのほとんどが作者の卓越した文章力、言葉選びの美しさに触れている。

丁寧な文章、上手い文章というものはあるが、図書館ドラゴンにおいては文章そのものに魅力があり、読者の心をつかむ役割を担うほどに昇華されている。

非常に稀有な評価を得ている作品なので、是非1ページでも読んでみて、その文体に触れて頂きたい。次々とページを開きたくなれば、あなたはもう図書館ドラゴンの虜だ。

本作の特徴として、各エピソードに登場するキャラクター達のキャラ立ちの強さも上げられる。非常に個性豊かな面々が揃っており、各人が一つの物語の主人公を張れるほど強烈なインパクトをもっている。

物語、文章、キャラクター、三つの主要素に隙のない名ファンタジーである。

*2016年2月20日に宝島社より書籍化しました

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