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作品リスト

無名探偵

探偵小説であって、推理小説ではない。

本作品はタイトルに無数の意味が込められているのだが、その一つが上記であろう。

主人公は推理小説が国民的娯楽となっている大正時代の日本で探偵業を営んでおり、しばしば人々にシャーロック・ホームズと比較される。

しかし、現実の探偵は推理などほとんどせず、警察に協力を要請されることもない。名推理で難事件を解決するのではなく、もっと地味な、泥臭い調査を行うのが本来の探偵業なのだ。

探偵役の主人公からしてこのような持論を口にしているので、この作品では「名探偵」という存在がほぼ否定されている。

大事件は起こるが、それを頭脳で解決するヒーローは現れない。

代わりに立ち向かうのが推理をしない無名探偵、暴力と人脈を駆使し、依頼人のために働くアンチヒーローというわけだ。

作品内容は痛快で、アクション小説に近い。卑劣な悪人や犯罪組織の毒牙にかかろうとしている人々を救い出すために、主人公を含む様々なダークヒーローが活躍するというもの。

その顔ぶれは探偵、殺人鬼、極道、刑事、退役軍人、幕末の人斬りと多様で、敵を容赦なく徹底的に叩き潰すキャラが多い。そのため、妙な仏心を出して反撃を食らったりするような心配をしなくて済む。

いわゆるピカレスク、一般的な良識に反する人間が別の悪人と戦う物語なのだが、この小説には非常に多くのファンがおり、有志の人々が作成したファンイラストのまとめサイト(同作者の別の作品も含む)botまで存在する。

実際の小説一冊分程度で一つのエピソードが完結しているので読みやすいのも特徴。伏線の回収の見事さに定評があり、エピソードの終盤には回収祭り状態になる。

2015年現在では二作目まで完結しており、現在三作目が連載されている。

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