死神を食べた少女
- 七沢またり
- 2015年4月5日
- 読了時間: 1分
最強の英雄である少女が戦場を駆ける物語だが、輝かしい英雄譚ではなく、主人公達は敗北者側に位置づけられている。
激戦のさなか、傾国の軍勢の中で起こる悲劇、死と諦観、絶望。
最後まで国に忠義を尽くす者、保身に走り裏切る者、敗戦の中に見る人間の本性、醜さ、美しさ、そういったものを見事に描ききっている。
三人称の練習のための話と作者は銘打っているが、目が離せぬ苛烈でテンポの良い展開に病みつきになった読者は多く、書籍化の報には「やはり」という声が多かった。
リアルで残酷な世界観ながら、そこに生まれる悲劇の因果がしっかりと筋の通ったものであり、悲劇にわざとらしさを感じないのが読者の没入感を高めている。
ダークファンタジーの名作と言えよう。
外伝、作者の新作も掲載中である。
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