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作品リスト

辺境の老騎士

  • 支援BIS
  • 2015年4月3日
  • 読了時間: 2分

小説家になろうにおいておそらく最も有名なハイファンタジーの一つ。

引退した老騎士が愛馬と共に死に場所を求め、各地を旅するという内容だ。

非常に渋いテーマだが、長年の戦の名人である主人公が旅先で出会うならず者や悪漢を老獪な戦法で撃退する描写は痛快の一言。力任せの戦いができない老人が知恵と経験で悪をくじき弱きを助ける筋は、さながら西洋版剣客商売といったところか。

この物語の魅力は泥臭いほどリアルな中世世界の雰囲気と、作者の持つ高い文章力がつむぎ出す旅情。そして作品の第二の売りである、食事シーンにある。

各話にはそのエピソードを代表する料理が登場し、主人公のバルドが旅の一番の楽しみとばかりにそれを食する。現実には存在しない、ファンタジー世界の動植物を食するという筋は最近ダンジョン飯などの作品でもプッシュされているが、辺境の老騎士もまたその魅力を伝える作品と言える。

ただしこの作品で登場する数多の食品は、特に野鳥や魚などは、どこか現実世界の動植物を想起させるようにデザインされており、読者が「これはうずらか?」「何だかイワナっぽいな」と想像力を働かせ、味を予想できるのが楽しい。

食事シーン自体も非常に「美味そう感」をかきたてられるもので、たとえば同じ小説家になろう作品の「異世界食堂」の料理描写には定評があるが、辺境の老騎士の描写もそれに劣らぬレベルのものだ。

物語は老騎士の旅から、次第に彼の祖国や大国との関係、世界を巻き込む陰謀へとシフトして行き、剣客商売から壮大な戦記へと発展していく。

読者を飽きさせない展開の手腕が最終話まで継続され、読後の重厚な満足感を生む作品だ。

その人気ゆえ挿絵やキャライラストも充実しており、書籍版は童話風の一風変わった挿絵を見ることができる。外伝も存在するため、心ゆくまで世界を楽しめる小説となっている。

 
 
 

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