青雲を駆ける
- 肥前文俊
- 2015年4月5日
- 読了時間: 1分
現代日本の鍛冶職人の青年が、突然異世界に迷い込み、己の鍛冶の腕と知識のみで生き抜くという話。
いわゆる現代知識による異世界立志伝だが、主人公が技術屋なので苦難に対して力づくで対処することができないあたりがシビアである。
限られた環境で様々な道具を作り出し、千歯こきに始まり実戦用の刀剣まで、異世界の住人の需要に応えて腕を振るう主人公。迷い込み直後は田舎の農村のやっかいになるが、持ち前の技術と人当たりのいい性格で村人の信用を得、順応していく。
異世界食堂などと同じく作者の知識がイコール物語の核につながるタイプの小説で、他の小説と一線を画するオリジナリティを確立させている。
何のために道具を作るのか、道具が持ち主に何をもたらし、何を生むのか。主人公にしっかりとした考えがあり、その上で腕を振るう姿には勇者や英雄とは違った頼もしさがある。
書籍版は一巻にして「完」の文字が記載されているが、web版は2015年現在も人気を博し連載中である。
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